生産管理のおすすめ本3選|SEが業務とシステムを理解する
「製造業のシステム開発案件に入ることになったが、生産管理の業務が分からない」「MRP(資材所要量計画)やBOM(部品表)といった用語が飛び交い、打ち合わせについていけない」「生産計画、購買、在庫、原価がどう関係しているのか全体像がつかめない」――生産管理システムに関わるSEの多くが、こうした悩みを抱えています。
生産管理は、生産計画から購買、製造、在庫、原価管理まで多くの業務が複雑に絡み合う領域です。一部分だけをシステム化しても全体としてうまく動かないことがあるため、工場の業務全体の流れと、MRPやBOMなどシステムの中核となる仕組みを理解しておくことが大切です。
この記事では、SEが生産管理の業務とシステムを理解するのに役立つ本を目的別に3冊紹介します。
- 生産管理を学ぶのにおすすめの本3冊と、それぞれが向いている人
- 業務とシステム化・設計実務・基礎知識という目的別の選び方
- 刊行年が古い本を読むときの注意点
- あわせて学びたい在庫管理・OTセキュリティの関連記事
結論:生産管理の業務プロセスとシステム化のポイント、ERPやMESなどの関連システムまで学ぶなら「エンジニアが学ぶ生産管理システムの『知識』と『技術』」、MRPやBOMの設計と外部設計書の実例を学ぶなら「生産管理システム構築のすべて」、生産管理の基礎知識を入門書でつかむなら「図解入門ビジネス 生産管理の基礎知識」がおすすめです。
にわとり頭です。生産管理は業務の範囲が広いので、全体像をつかんでから細部に入るのが近道です。今回は、業務・設計・基礎知識の3つの目的に分けて選びました。
生産管理のおすすめ本3選
学びたい内容から選べるよう、3冊を目的別に整理しました。
目的別の比較表
| 書籍(刊行年) | 向いている目的 | 特徴 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| エンジニアが学ぶ生産管理システムの「知識」と「技術」(2021年) | 業務プロセスとシステム化のポイントを学ぶ | 生産管理の業務プロセスからシステム導入のポイント、原価管理・KPI管理、ERP・MES・SCADAなどの関連システムまで解説 | 420ページと厚め。必要な章から読むのもよい |
| 生産管理システム構築のすべて(2010年) | MRP・BOMの設計と外部設計書を学ぶ | 工場管理全体の業務知識、MRPやBOM・サブシステムの設計、40ページ以上の外部設計書を掲載 | 2010年刊行。技術的な内容は刊行当時のもの |
| 図解入門ビジネス 生産管理の基礎知識(2023年) | 生産管理の基礎知識をつかむ | 生産管理の基本を図解で解説。ビジネス・キャリア検定試験BASIC級生産管理に対応 | システム開発の解説書ではない。Kindle版は固定レイアウト |
選定基準・確認範囲:本記事は、各書籍の出版社ページ・販売ページの書誌情報(目次・内容紹介・刊行年)をもとに、学べるテーマと対象読者を整理した選書ガイドです。価格・在庫・版は変わる場合があるため、購入前に販売ページでご確認ください。
エンジニアが学ぶ生産管理システムの「知識」と「技術」
石川和幸氏による、翔泳社の解説書です(2021年4月刊行、420ページ)。エンジニアが押さえておくべき生産管理の業務プロセスの知識から、生産管理システムの導入・構築のポイントまでを解説し、生産管理に関わる原価管理やKPI管理も扱っています。
この本が優れているのは、組織や機能を横断して業務プロセスを設計するための全体像に加えて、経営と製造工程を可視化するERPやMES、機器の監視制御を担うSCADA、BI、PLMといった関連システムの知識まで身につけられる点です。生産管理システムの開発に初めて関わるエンジニアが、全体像をつかむ1冊目に向いています。
- 生産管理システムの開発に初めて関わるエンジニア
- 業務プロセスを横断的に設計したい方
- ERPやMESなど製造業の関連システムを知りたい方
生産管理システム構築のすべて
北村友博氏による、日本実業出版社の書籍です(2010年2月刊行、297ページ)。生産管理システムを「生産計画と購買を足したもの」ととらえるのではなく、工場管理全体を全体最適化するという視点から、体系的な業務知識を解説しています。
この本の強みは、要求定義の勘どころとなるMRPやBOM、サブシステムの設計を具体的に説明したうえで、本書の内容を具体化した40ページ以上にわたる外部設計書をすべて掲載していることです。生産管理システムの設計を担当する方が、設計書の実例として参考にできます。
※購入前に確認したい点
2010年刊行のため、クラウドやIoTの活用など、刊行後の技術動向は扱っていません。業務知識と設計の考え方を学ぶ目的で読み、最新動向は1冊目の本などで補いましょう。
- 生産管理システムの設計を担当するエンジニア
- MRPやBOMの仕組みを具体的に理解したい方
- 外部設計書の実例を参考にしたい方
図解入門ビジネス 生産管理の基礎知識 ビジネス・キャリア検定試験BASIC級生産管理副読本
岡野弘典氏による、秀和システムの入門書です(2023年11月刊行)。生産管理の基本を解説した入門書で、ビジネス・キャリア検定試験BASIC級(生産管理)に対応しているため、同試験の副読本としても使えます。
この本が優れているのは、学生や新入社員でも読めるよう、生産管理の基本を図解でまとめている点です。システムの話に入る前に、生産管理という業務そのものの考え方や用語を押さえておきたいSEに向いています。検定試験を目標にすると、学習の区切りもつけやすくなります。
- 生産管理の業務を基礎から理解したいSE
- ビジネス・キャリア検定試験BASIC級(生産管理)を目指す方
- 製造業に関わり始めた新入社員や異動者
生産管理のおすすめ本3選 まとめ
迷ったら、次の順番・目的で選ぶのがおすすめです。
- システムの全体像を:「エンジニアが学ぶ生産管理システムの『知識』と『技術』」で、業務プロセスとシステム化のポイントを押さえる
- 設計を深める:「生産管理システム構築のすべて」で、MRP・BOMの設計と外部設計書を学ぶ
- 業務の基礎を固める:「図解入門ビジネス 生産管理の基礎知識」で、生産管理の考え方と用語をつかむ
生産管理と密接に関わる業務については在庫管理のおすすめ本で紹介しています。工場の制御システムを守る観点ではOTセキュリティのおすすめ本、業務知識を要件に落とし込む方法は要件定義のおすすめ本もあわせてご覧ください。
本の版・在庫は購入前に販売ページでご確認ください。生産管理の学び方についてのご質問は、お問い合わせページからお寄せください。
















