「ファイアウォールやEDRは導入しているのに、オフィスへの侵入や不審なUSBへの対策は手薄になっている」「入館証や共連れ(他人の後ろについて入室すること)のリスクをどう評価すればよいか分からない」――物理セキュリティは、サイバー対策に比べて後回しにされがちな分野です。

しかし、どれだけネットワークを守っても、建物に入られて端末を直接操作されたり、細工したUSB機器を挿し込まれたりすれば、対策は簡単に突破されてしまいます。物理的な侵入の手口を知り、入館管理・端末管理・外部デバイスの管理まで含めて対策を考えることが大切です。

この記事では、物理的なアプローチによる攻撃手法とその考え方を専門家が解説した本を紹介します。

この記事でわかること
  • 物理セキュリティを学ぶのにおすすめの本と、向いている人
  • 物理的な侵入手口を知ることが対策につながる理由
  • 攻撃手法を扱う本を読むときの注意点
  • あわせて学びたい関連分野

結論:入館証の複製やBadUSB、キーロギングといった物理的な攻撃の手口を知り、自社の対策の抜け漏れを点検したいなら「物理セキュリティの実践」がおすすめです。

にわとり頭

にわとり頭です。物理セキュリティは「人」と「場所」が絡むため、技術だけでは守れない分野です。日本語で体系的に学べる本は多くないので、今回は専門家による実践書を1冊じっくり紹介します。

物理セキュリティの理解におすすめの本

紹介する本の特徴と、読むときの注意点を整理しました。

目的別の比較表

書籍(刊行年)向いている目的特徴注意点
物理セキュリティの実践(2023年)物理的な侵入手口と対策を知る入館証のコピー、BadUSB、キーロギングなど物理的なアプローチによる攻撃を専門家が解説攻撃手法を扱うため、診断は許可を得て行う必要がある

選定基準・確認範囲:本記事は、各書籍の出版社ページ・販売ページの書誌情報(目次・内容紹介・刊行年)をもとに、学べるテーマと対象読者を整理した選書ガイドです。攻撃手法を扱う本は、防御と許可された診断のための学習を前提に紹介しています。価格・在庫・版は変わる場合があるため、購入前に販売ページでご確認ください。

物理セキュリティの実践 (ハッカーの技術書)

片岡玄太氏による、データハウス「ハッカーの技術書」シリーズの1冊です(2023年9月刊行、256ページ)。入館証のコピーからBadUSB(USB機器に見せかけて不正な操作を行うデバイス)、キーロギング(キー入力の記録)など、物理的なアプローチによる攻撃手法をプロの専門家が解説しています。

この本が優れているのは、サイバー攻撃の本ではあまり扱われない「建物や端末に直接近づく攻撃」を具体的に知ることができる点です。攻撃者がどこに目をつけるのかが分かれば、入館管理や端末の施錠、USBポートの制御など、自社の対策のどこに抜け漏れがあるかを点検しやすくなります。

※購入前に確認したい点

物理的な攻撃手法を解説した本です。紹介されている手法を他者の施設や機器に対して試すことは、法律に触れるおそれがあります。自社の診断に活用する場合も、必ず責任者の許可を得た範囲で行ってください。

こんな人におすすめ
  • 自社の物理セキュリティ対策を点検したいセキュリティ担当者
  • 入館管理や端末管理のルールづくりを担当する方
  • サイバーと物理の両面から脅威を理解したいエンジニア

物理セキュリティとあわせて学びたい分野

物理的な侵入は、それ単体ではなく、事前の情報収集やその後のネットワーク侵入と組み合わせて行われることが多い攻撃です。次の分野もあわせて学ぶと、対策の全体像がつかみやすくなります。

物理セキュリティの理解におすすめの本 まとめ

物理セキュリティは、次のような目的で学ぶのがおすすめです。

  • 手口を知る:「物理セキュリティの実践」で、入館証の複製やBadUSBなど攻撃者の着眼点を知る
  • 対策を点検する:入館管理・端末の施錠・外部デバイスの制御に抜け漏れがないかを見直す
  • 全体像を広げる:OSINTやペネトレーションテストとあわせて、攻撃の流れ全体で対策を考える

セキュリティ担当としての経験をキャリアに活かしたい方は、社内SEのセキュリティ担当へ転職する方法もあわせてご覧ください。

本の版・在庫は購入前に販売ページでご確認ください。物理セキュリティの学び方についてのご質問は、お問い合わせページからお寄せください。